vol.015 夏風邪

夏風邪
日頃は至って健康なのですが、ただいま長いこと夏風邪しちゃってます。
「夏風邪は長引くよ〜」なんて事をよく聞くけど、ホント長いです。
劇団四季のライオンキングかってほどのロングランです。

病院無精というか、相当しんどくなるまでは行かなイズムな僕ですが
今回は喉の違和感で風邪の予兆を感じるやいなや、ホスピタルへGOです。
早起きして受付一番乗りを目指し、めったに使うことのない診察券という名の入場券と、保険証という名の7割引きのクーポン券を握りしめ。

そんなこんなで、得意の二足歩行でやってきました駅前の病院。
受付時間開始よりもちょこっとだけ前に行ってればすんなり入れるだろうと思っていたら大間違い。
診療開始を今や遅しと待ちわびている猛者たちであふれかえっています。
僕はなんて甘かったのだろう。
小学生の頃、ドラクエⅣを初日に買うために並んだ先の見えない行列を思い出しました。

さてさて、僕が不安な気持ちで診察室の前で待っていると、なんと某有名プロ野球選手が勇気づけに訪れに来てくれました。
さらに彼は、僕が頑張って診察を受けたら今日の試合でホームランを打ってくれると約束してくれました。
(ベタなうえに、どんだけ大げさ!!)

某選手は「頑張れよ!」と親指を立てると
乗ってきた一輪車をこいで試合のある福岡ドームへと向かいました。
(病院って都内ですよね?)

さてさてさて、やっとことで僕の診察の番が廻ってきました。
診療を受けずともこの症状は完全に風邪だろうとふんでいたのにドクターから下された思わぬジャッジ。

「おぬしの症状は風邪というより疲れから来ているでござるな〜
拙者の生まれた里に古くから伝わる秘伝の薬草を…」
( どんなキャラ!! 伊賀ですか?甲賀ですか?)

でもって、処方された抗生物質とウガイ薬は、かなり効果バツグンということだったのに、夜になっても症状の改善が見られないどころか悪化の一途。
こうなると、約束してもらったホームランだけが心の支えです。

僕はテレビの前で正座をしながら野球中継を見ていました。
しかし、渦中の選手は待てど暮らせど一向に現れず、どうやら、大幅な遅刻で球場入りしていないとのこと。
(一輪車で行くから!)

結局、彼が僕に向けて打ったのはホームランではなく試合後の一通のメール。

「なんか…ゴメン…」

心なしか症状がさらに悪くなった気がしました。

皆さんも夏風邪にはお気を付けくださいませ。

夏風邪1

Ⓒイラストレーター トツカケイスケ